歯周病は細菌感染症
進行すれば歯を失ってしまうかもしれない歯周病ですが、どのような病気なのかはっきりとわかっているでしょうか。歯周病というのは、歯を支えている歯茎や顎の骨といった歯周組織と呼ばれる部分に細菌が感染して炎症が起きる細菌感染症です。歯周病は歯と歯茎の隙間に出来る歯垢(プラーク)や歯石が原因となるのですが、それは私達が食事をした後、歯の隙間に食べかすを残してしまったり、細菌を洗い流してくれる唾液が届きにくくなって細菌が繁殖して出来る塊です。
妊娠をすると、つわりで頻繁に吐いてしまい口の中が汚れやすくなりますし、歯磨きを丁寧にする余裕がなくなってしまうことから歯周病になりやすくなっています。重度の歯周病になると、お腹の赤ちゃんまで細菌に感染してしまうため早産になる可能性があります。すぐに歯周病治療を行うほうが良いでしょう。
局所麻酔について
歯周病治療では、歯にこびりついた歯垢や歯石を除去することになります。それが簡単に取れるのであればよいのですが、歯磨きをするくらいでは取れないほど固い物質ですから、かなりの力を入れて削り取らなければいけません。そうなると、とても痛くて患者様は我慢することがなかなかできません。ですから歯周病治療をするにあたって、最初に局所麻酔をかけておき歯垢や歯石を削り取っても痛みを感じないようにしておくことで、患者様の負担を軽減することもあります。
そこで注意したいのは、授乳中に歯周病治療をする場合です。麻酔の成分が母乳に入ってしまうかも知れないということです。一応は歯周病治療で使うくらいの局所麻酔であれば、授乳中でも大きな問題はありません。ただ、心配ならば麻酔が切れるまでは授乳をしないようにしておくと良いでしょう。
抗生物質や鎮痛剤について
歯周病は細菌感染症ですから、抗生物質を使うことで細菌を死滅させて症状を改善することができます。ですが効果が出るまでにはある程度の時間が必要になりますから、その間は歯茎が腫れて痛いのを我慢しなければいけません。
お腹が空けば誰もが食べたり飲んだりするわけですが、歯周病が進行していると食べ物を噛みしめるときに痛みが出てくることもあります。そのときのためにも鎮痛剤が必要になることもあります。
さて、授乳中の場合にその歯周病治療で使った抗生物質や鎮痛剤の影響がないのか、ということが心配になるところです。母乳に影響は出ないので心配はありません。どうしても薬の成分が入った母乳を飲ませたくないならば、薬を使ってから数時間後に授乳をすれば普通の状態に戻るので、それまで待ちましょう。
歯周病(歯槽膿漏)の治療
歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。
3か月~6か月に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしてください。