虫歯リスク検査について
「食事を終えた後、きちんと歯磨きを行わないと虫歯になってしまう」というのは、世界各国共通の考えです。しかし、歯磨きさえ行っていれば誰もが防げるというわけではありません。これはひとりひとりの体質が絡んでくるので、虫歯になりやすい人・なりにくい人に分類することができます。その分類を行うときに用いるのが、「虫歯リスク検査」というものです。唾液中に含まれている酵素・唾液の成分を数値化することで、どういったオーラルケアを行えば予防できるのかも知ることが可能です。今は歯科クリニックなら、どこでもこの検査を受けることができます。
唾液分泌量とは
この検査では、まず唾液分泌量を測定することになります。一定時間あたりの唾液の分泌量を専用機器で測定し、1分間に0.7ml未満だとハイリスクになります。このときハイリスクであることが分かったことで、口腔内が常に乾燥し、酸性の状態になっていることを歯科医師は把握できます。指導法または処置としては、フッ化物洗口の処方をして、口腔内が常に潤っている状態へと導きます。また、18才以下の子どもに対しては、食後にキシリトールが配合されているガムを1時間ほど噛むことを薦める歯科もあります。この方法を用いることで口腔内を清潔にし、さらに唾液の分泌を促すことができます。
ミュータンス菌数とは
ミュータンス菌のおおよその個体数を調べることも可能です。ミュータンス菌とは虫歯の原因菌で、この細菌数を測定することで、原因菌の活動性を予測できることになります。ハモノクロナール抗体を使った新しい判定法で、現在、15分から30分の測定で唾液中の細菌数を把握することが可能となっています。10ml以上の細菌でハイリスクとなり、歯科医は口腔清掃・フッ化物歯面塗布を行った後、ブラッシングの指導を徹底して未然に防ぐようにします。また、幼児に対しては母子伝播・感染指導も実施します。予防のためには定期的な歯科検診を受けて、口腔内を清潔に保つことが大切になります。
予防定期検診
虫歯や歯周病を防ぐには予防しかありません。定期検診(3~6カ月)に行かれての予防が大切です。