削らない虫歯治療とは？

歯科通いが不安な人でも安心できる治療法

虫歯治療はドリルで削って虫歯の部分を除去する方法を思い浮かべる人が非常に多く、施術中に耳に響くドリルの音や削られた時に出る痛みは虫歯の患者を不安がらせ、歯科に通うのを躊躇する原因としてしばしば挙げられます。
しかし、近年は不安の少ない「削らない虫歯治療」と呼ばれる、ドリルを使わずに虫歯を除去する治療方法が考え出されています。
歯科医師でつくる国際団体では2000年代から、削る範囲を極力最小限にする「ミニマルインターベンション」という考え方を提唱しており、日本の歯科医院の中にもこの考え方に基づいて削らない虫歯治療を受けることが可能なところが少しずつ増加してきています。

削らずに行う虫歯の治療法の種類

現在、歯科医院で受けられる削らない虫歯治療には、いくつかの種類があります。例えば、症状が象牙質とよばれる層まで到達していない場合は虫歯部分を軟化させる作用がある薬剤を塗布し、専用の機具をつかって取り除いていく「カリソルブ」という方法が用いられます。
また、他の方法で除去しようとすると神経まで達してしまうおそれがある場合は、銅イオンや鉄イオンを多く含む薬剤を注入して殺菌作用によって虫歯菌を無力化する「ドックベストセメント治療」や、プラズマレーザーを照射して除去する方法など、神経を抜かずに済む治療法が用いられることがあります。

削らないで虫歯を治す際の注意点

削らない虫歯治療を受ける場合にまず注意しなければならないのは、比較的最新の方法であることからほぼ例外なく自由診療となることです。
治療の効果は非常に高いですが、高額の費用はすべて患者自身で負担することになるので、この方法で虫歯を治したいのであれば確実に治療費確保の目処をつけておきましょう。
また、選択する方法によってはドリルで削る従来の方法より治療期間が長くなることがあります。
例えば、ドックベストセメント治療では虫歯菌が完全に殺菌されるまでに1年程度の期間がかかるといわれているほか、カリソルブでもどんなに順調に除去がすすんだとしても数ヶ月はかかります。
レーザー治療と組み合わせれば期間を短縮できる可能性はありますが、その場合歯科医院に支払う費用は大きく跳ね上がります。