ノロウイルスに感染すると、嘔吐や下痢などの症状が現れますが、口腔ケアにも注意が必要です。
嘔吐後の口の中にはウイルスが残りやすく、誤ったケアをすると再感染のリスクがあります。
さらに、胃酸が逆流することで歯のエナメル質が溶ける「酸蝕歯」の危険性も。
本記事では、ノロウイルス感染時の適切な口腔ケア方法と歯医者に相談すべきポイントについて詳しく解説します。
ノロウイルス感染時に口腔ケアが重要な理由
ノロウイルスはわずか10~100個のウイルスで感染が成立するほど感染力が強く、家庭内での二次感染が発生しやすいウイルスです。
特に、嘔吐を繰り返すと口の中にウイルスが残りやすく、適切な処理をしないと手や物を介して再感染するリスクがあります。
また、嘔吐時には強い胃酸が口の中に逆流します。胃酸はpH1~2と非常に酸性度が高く、これが歯のエナメル質を溶かし、酸蝕歯(さんしょくし)を引き起こす原因となります。
さらに、ノロウイルス感染時は脱水症状によって唾液の分泌が減少しやすくなります。唾液には口腔内を清潔に保ち、虫歯や歯周病を防ぐ役割があるため、唾液量の減少は口腔内環境の悪化につながります。
ノロウイルス感染中の正しい口腔ケア
嘔吐後すぐに歯磨きをすると、胃酸で柔らかくなったエナメル質が傷つく可能性があるため、30分ほど時間を置いてから歯磨きをするのが理想です。
おすすめのケア方法
・まずは水やマウスウォッシュで口をゆすぐ(ウイルスと胃酸を洗い流す)
・口の中が落ち着いたら、柔らかめの歯ブラシで優しく歯を磨く
・酸性の食品(炭酸飲料やジュース)は控える
口腔ケアにおすすめのアイテム
・ノンアルコールのマウスウォッシュ(刺激が少なく、口腔内の殺菌に効果的)
・歯科専用のフッ素ジェル(酸蝕歯の進行を防ぐ)
・使い捨て歯ブラシ(感染拡大を防ぐため、できるだけ使い捨てを推奨)
ノロウイルス感染後の歯の健康チェックと対策
感染後は、胃酸の影響で歯が弱っている可能性があります。以下の点をチェックしましょう。
・歯がしみる→酸蝕歯の可能性
・口内炎ができやすい→免疫低下の影響
・口が乾燥している→唾液の減少によるもの
対策方法
・フッ素配合の歯磨き粉を使用する
・水分補給をこまめに行う(特に白湯やお茶がおすすめ)
・口の中を保湿するためにキシリトールガムを噛む
ノロウイルス感染後に歯医者に相談すべきケース
次のような症状がある場合は、歯科医院に相談しましょう。
・嘔吐後、歯がしみる(胃酸でエナメル質が溶けている可能性)
・歯ぐきが腫れている・出血しやすい(免疫力低下による歯周病リスク)
・口内炎が治らない(口腔環境の悪化)
まとめ:ノロウイルス感染時の口腔ケアのポイント
ノロウイルスに感染すると、嘔吐や胃酸の影響で歯と口腔内にダメージが及びます。感染時は以下の点を意識しましょう。
・嘔吐後すぐに歯磨きをせず、まず水やマウスウォッシュで口をゆすぐ
・歯ブラシの管理を徹底し、消毒or交換する
・胃酸の影響を防ぐため、フッ素配合の歯磨き粉を使用
・口腔内の乾燥を防ぎ、唾液の分泌を促す
・感染後、歯がしみる・口内炎が悪化したら歯医者へ相談
日頃から正しい口腔ケアを心がけ、ノロウイルス感染時でも歯の健康を守りましょう。
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